「歯周病は自分には関係ない」 そう思っていませんか?
しかし、歯周病は誰にでも発症する可能性のある病気です。
放っておくと、深刻な問題を引き起こす危険性もあるため、注意が必要です。
では、「歯周病」についてお話ししたいと思います。
歯周病とは?
歯周病とは、歯ぐきと歯を支える骨などが破壊される病気です。
ブラッシングの際に出血しますが、痛みを伴わないため、自覚症状がないのが特徴です。
歯周病をそのまま放置すると、口臭が発生し、最悪の場合、歯が抜け落ちることがあります。まれなケースだと思うかもしれませんが、日本人が歯を失う原因の1位は歯周病(37.1%)です。
さらに、日本人の成人の8割が歯周病および予備軍であるとされていることからも、歯周病は身近な病気であることがわかります。
また、歯周病は口内だけの病気ではありません。心筋梗塞や脳梗塞・糖尿病など、全身に影響を及ぼす可能性のある怖い病気です。
「たかが歯周病」と軽視せず、早期発見と適切なケアが非常に重要です。
参照文献:第2回永久歯の抜歯原因調査報告書(公益財団法人8020推進財団)
参照文献:e-ヘルスネット(厚生労働省)
歯周病の原因
歯周病の主な原因は、歯垢(プラーク)です。
歯垢とは、食べ物のカスではなく、歯の表面に付いた細菌のことをいいます。
歯と同系色のため目視では確認しづらいですが、舌や指で触るとヌルヌルとしているのが特徴です。
歯垢は軟らかいため、最初のうちはブラッシングで取り除くことができます。
しかし、磨き残された歯垢は徐々に固まり、歯石と呼ばれる石灰化した状態に変化します。
歯石はブラッシングだけでは取り除くことができず、歯科医院での専門的な処置が必要となります。
参照文献:第2回永久歯の抜歯原因調査報告書(公益財団法人8020推進財団)
どんな人が歯周病になりやすい?
一般的に、歯周病は複数の要因が重なって発症するといわれています。
では、ブラッシングが不十分という要因以外に、一体どんな人が歯周病になりやすいのでしょうか。
歯周病のリスクを高める要因についていくつかご紹介します。
(常に口呼吸をしている)
口呼吸をしていると、お口の中が乾燥し、歯垢の形成を促進させます。
お口の中が乾燥していることで細菌の活動も活発になるため、歯周病だけでなく、むし歯などにも注意が必要です。
(喫煙習慣がある)
タバコに含まれる有害物質は、免疫力を低下させるだけでなく、歯周組織の血流を悪化させます。
さらに、タール(ヤニ)が付着することで歯石が付きやすく、歯周病を促進させる恐れがあります。
(糖尿病を患っている)
糖尿病になると、唾液の分泌量が減少し、お口の中が乾燥しやすくなります。
歯周病菌に対する抵抗力も低下するため、細菌が繁殖しやすく歯周病を悪化させるといわれています。
(ストレスを抱えている)
ストレスが増えると、免疫機能が低下し、お口の中の細菌に対する防御力が弱まります。
その結果、細菌が歯周組織に侵入し、炎症や組織の破壊を引き起こす歯周病を発症しやすくなります。
今回は「歯周病」について解説してきました。 歯周病は誰にでも起こりうる病気であると同時に、発見が難しい病気でもあります。そのため、自分には関係ないと軽視せず、真剣に向き合うことが大切です。
健康な歯を保つためにも定期的な歯科検診を受け、日頃からしっかりケアを行いましょう。