皆さんは根管治療(歯の根の治療)を途中でやめてしまうことで起こるリスクを知っていますか?
歯の痛みがなくなったからといって治療を中断してしまうと、最悪の場合は歯を抜かなくてはならないことも……。
今回は、根管治療の中断リスクについてお伝えします。

根管治療に時間がかかる理由

根管治療とは、歯の神経治療のことで、根管内を清掃・洗浄し、薬剤などを充填する治療法です。むし歯が進行し、歯の神経にまでに達した場合などに根管治療が必要になります。
根管は人それぞれ形態や本数が異なるため、精密さが求められる治療です。早い方で4回~6回の通院(週1回程度の通院で1~2か月)、歯の形状や症状の度合いによっては数か月かかることもあります。

なぜ中断してしまうの?

患者さんの中には「痛みがなくなったから」、「仕事が忙しくて何回も通うことが面倒」などの理由で、途中で治療に来なくなるケースも少なくありません。
根管治療を自己判断で中断してしまうと、以下のようなリスクが生じます。

激しく痛みが出る

痛みをとる処置を行なったタイミングでの中断は、放置すると再び激しく痛み出します。

仮蓋(仮詰め・仮封)の機能は1~3か月

借詰め、仮歯は、すぐに取り外すことが前提のため、長期的な耐久性はありません。しばらくすると取れてしまったり、再び症状が出ることがあります。

かぶせ物が合わなくなる

歯型をとってかぶせ物を装着する治療の前に治療を中断すると、作ったかぶせ物が合わなくなることがあります。

このように治療を中断すると、将来的に再治療が必要になったり、むし歯の進行により抜歯のリスクも高くなります。治療を先延ばしせず、医師が伝えたスケジュールで治療を進めていきましょう。
治療は最後まで受けるようにしてくださいね。

まとめ

根管治療は治療期間が長いですが、歯を守るには必要な処置です。
根管治療で大切なのは、「予定通りにきちんと治療に通う」ことです。
予約を先延ばしにしている方は「気まずさ」を感じることもあると思いますが、治療期間が空いてしまっても気兼ねなくお越しください。
また、仕事や用事などで治療の中断が必要になる場合には歯科医師に相談しましょう。