マスク生活が続く近ごろ、コロナ禍前に比べ、お口の中のメンテナンスをおろそかにしてはいませんか?
マスクをしていると、息苦しさから口呼吸が増えて口腔内が乾燥し、だ液が減ることで「自浄する作用」が弱まり、むし歯の原因となる歯垢(プラーク)が付着しやすくなります。
歯垢(プラーク)は、食べカスだと思っている人もいますが、まったくの別ものです。
また、その歯垢が石のように硬くなったものが歯石です。
では「歯垢(プラーク)」や「歯石」とはどんなものか、お話したいと思います。
歯垢(プラーク)とは?
歯垢(プラーク)は、細菌と代謝物のかたまりです。
歯の表面に付着している、白色または黄白色のネバネバした物質で、1mgの歯垢には1億個以上の細菌が存在しています。
食後8時間程度でできるといわれ、マスクの影響などで口腔内のだ液が減少した場所に付着すると、その場で増殖・形成を始めるため、早めに取り除くことが重要です。
粘着力があり水に溶けないため、うがいではなくハブラシで除去することが必要です。
【歯垢の残りやすいところ】
奥歯や、歯の間、歯ぐき(歯肉)との境目などは特に付着しやすいため、デンタルフロスで除去し、しっかりとセルフケアをしましょう。
歯石とは?
歯垢(プラーク)が残ったまま放置すると2~3日で石灰化し「歯石」となります。主に歯と歯ぐきの境目につく灰白色の石のような硬いかたまりです。
歯石は、表面がザラザラしているので細菌がつきやすく、むし歯や口臭、歯周病などのリスクを高めてしまいます。
もしも歯石がついてしまったら、セルフケアでは除去できないので歯科医院で早めに歯石取りをしてもらいましょう。
【歯石がつきやすいところ】
歯石は下の前歯の裏側や上の奥歯の外側など、唾液腺の近くにある歯につきやすく、ご自身でケアするのが難しい場所ですが、意識して行うようにしましょう。
爪楊枝で歯石取りは危険です
食事の後、食べカスや歯垢の除去に爪楊枝を使っている方の中には、歯石もとれるんじゃないかとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
ご自身で歯石をとることができたとしても、その箇所はザラザラとしているため、さらに汚れが付きやすくなります。
口腔内は見えない場所も多く繊細な部位なので、手をすべらせて傷つけたり、ケガすることもあり、爪楊枝では硬くなった歯石まで取ることは困難です。歯石は歯ぐきの中にもあるので、無理をせず、歯科医院にお任せください。
歯石が気になったら歯科医院へ
毎日の歯みがきで歯垢をしっかり落とすことが歯石を作らない良い環境となり、むし歯や口臭、歯周病の予防になります。
みがきにくい歯の裏側や奥歯は、歯石もできやすい場所なので重点的にケアをしましょう。どんなに丁寧に歯みがきをしても、歯ブラシが古いと効果が発揮できません。「歯ブラシの交換の目安は1カ月」と覚えておきましょう。
歯と歯の間も歯石ができやすい箇所です。歯ブラシの先が入りにくく、みがきにくい箇所はデンタルフロスや歯間ブラシを使うことも忘れないでくださいね。そして、歯みがきでは取り除くことのできない「歯石」は、歯科医院で除去することが必要です。
当クリニックではお口の中の染め出しを行い、どの部分にみがき残しが多いのかを確認していただきます。そうすることで、ご自身の苦手な場所を意識することができます。
歯科医院での専門家によるチェックとクリーニングで、より効果的なセルフケアが可能になります。マスク生活で最近口臭が気になる、といった方はぜひ一度、歯科医院で定期検査やクリーニングを受けてみてください。